ここ最近の4回の通勤で、一気読み。もー、熱でそうな勢いでよんだ。
最後のオチがあかん、という声を聞いていたんだけど、確かにえらい都合いい終わり方で、その部分はガクッて感じだけど。
でも、そもそも、宮部みゆきさんのミステリーって、どの作品もトリック自体はそんなに凝ってなくて、読みどころは、人物描写じゃないでしょうか。
一人の人間がこの世に存在する、という事の重さ。
人間は本当に本当にたくさんの、いろいろな要素に囲まれて生きている。で、世の中は、個々の人間を囲んでいるそれらの要素が、複雑に絡み合って出来ているのかな。なんか、中東あたりの、細かい細かい模様が連なった、絨毯みたいな感じで。
その中で、一人の人間が、寿命を全うするのではなく、犯罪に巻き込まれて、突然いなくなるとどうなるのか。
その余波は、糸が抜けた絨毯がほつれるみたいに、どこまでも連鎖していって、想像できないくらいたくさんの人を不幸にする。
遺族やそれを取り巻く人々の人生や精神はじわじわと壊され、被害者だけじゃなく、犯罪者の家族も、同じように、全てを失って。
重たい、人間のいのちって。
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